医療と介護の連携

前田豊(社会保険労務士)

2014年02月17日 08:37

おはようございます。福祉社労士の前田です。

医療と介護の連携について、書かせていただきます。

最近、実によく聞く言葉です。各種セミナーのタイトルになり、厚労省の通達物に
も、つい先日の国会議案にもこの文言が入っていました。...

なぜ、医療と介護の連携が必要なのかというと、医療を必要とする要介護の方が、地
域で生活し続けるためには、医療と介護の両者が手を取り合ってサービスを提供する
必要があるということでしょう。

ごく当然のことながら、医療と介護の連携は、ご利用者に沿ったサービスをするため
の手段です。目的は「ご利用者の生活向上」です。

仮に医療と介護の連携が目的であると、どちらが偉い、どちらのやり方にあわせるの
か、と言った話になるように思います。誰でも、自分の意図する方向で目的を達成し
たいですので。

でも、「ご利用者の良質な地域生活」のためという本質から、医療と介護の連携を考
えれば、何のわだかまりもなく上手くいくはずです。

先日、「見える事例検討会」という勉強会に参加させていただきました。
まさに、支援の本質を達成するために、他職種が集う場でした。
社会福祉士、介護福祉士、看護師、ケアマネ、行政書士、弁護士、社労士、等々の専
門職が集まり、一つの事例に対して、関わる状況をホワイトボードに書き出し、可視
化しながら、ご本人への支援でもっとも大事なことを皆で考えていきます。
その上で、関係者のだれが誰に向けて、何をすればよいのか、明らかにしていくので
す。

このような生産的な学びの場こそが、支援の本質を見据えた、医療と介護の連携を可
能にするのだと思いました。

多くの介護職員が、これらの議論に加わって、自分の言葉で、支援の本質を話せるよ
うになったら、医療と介護の連携は、きっと進むと思います。
物事には、トレーニングが必要です。私は、今、介護施設にお伺いして研修させてい
ただくことが多いです。一人でも多くの介護職員が、自分の言葉で本質を話せるよ
う、研修を通じて受講者の皆さんと考えていきます。