障害者雇用「場の力」
10年前から障害者を雇用をしている小さな物流会社
の部長さんから聞いた話。
当時、最初に雇用した障がい者が、まったく仕事ができ
なかった。最初の2年間はほとんど遊ばせておいて給料
だけ払っていた。3年雇ったら辞めてもらおうと思って
いたところ、3年目に入った時に、突然仕事を始めたそ
うである。
部長はこれを奇跡と言っていた。部長と話している最中に、
「腰を据えて仕事をする」とか「石の上にも3年」と繰り
返しおっしゃて、この出来事の衝撃度が伺えた。
紹介した人は、重度判定の知的障害者だそうである。とて
も幸せな人だと思う。
奇跡が起きた原因は、部長さんの温かいお人柄の故もあるし、
本人の潜在的な能力の高さもあるし、また、何より、物流会
社という生産性の高い「場の力」もあったと強く思うのである。
もし、知的障害の彼が、福祉作業所の中で作業指導を受けてい
たなら、もちろん一定の進歩はしただろうが、このような劇的
な変化はなかったかもしれない。
障害がある人が生産性の高い場にいることのできる仕組みづく
りは重要だ。
改めて勉強させていただいた。頑張ろう!