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本当に地域に必要な福祉サービスを創ろう!

2014年03月05日

こんにちは。福祉社労士の前田です。



障害者の移動支援サービスについて書かせていただきます。

移動支援は、自宅から病院・学校・職場等へ移動するのが困難な障害者に、ヘルパー
が付き添うサービスです。(※行政により学校・職場はサービス外など扱いが異なり
ます)

しずかも、毎朝、移動支援のヘルパーさんに付き添っていただき通学しています。



しずかは、お蔭様で、自分の荷物や定期券を管理し、学校までの道順を理解し歩くこ
ともできるのですが、知的障害のため、道路や駅のホームで危険がないように気を付
けること、いつもと違う事態が起きた時(例えば途中でトイレに行きたくなった)等
の臨機応変な対応はまだ難しいので、ヘルパーさんの見守りが必要なのです。



今、福祉業務の求人は山ほどあります。新聞に入ってくる地域求人紙を見ても、高齢
入所施設、高齢・障害訪問事業所、グループホーム等々、地域の福祉事業所がこぞっ
て求人を出しています。



時給は、介護職員で1,200円〜1,500円位が一般的です。



障害移動支援も数社求人を出していました。

しかし、障害の移動支援サービスのみ、時給1,000円と低いのです。



これは、理由は単純で、国から入ってくるサービス費が安いからです。

障害のご利用者に、1時間のサービスをすると、いくらのお金が事業所に入ってくる
と国の基準で決められているのです。



しずかへ、毎朝、ヘルパーを派遣してくださる事業所にもサービス費が入ります。

1時間あたり約1,900円です。



事業所がヘルパーさんに、時給として1,000円、通勤費として500円払ったら、事業所
に残る分は、たったの400円です。



事業所としては、どうにも採算のとれない事業です。

移動支援を熱心にやっている事業所は少ないですが、やりたくても経済的に持続でき
ないのが大きな原因であることは明らかです。



また、ヘルパーさんにしてみても、1時間の支援の前後に通勤があることを考える
と、実質1時間半〜2時間の拘束で、1,000円の収入です。これは、仕事というより
は、極めてボランティに近い感覚でやっていただくことになります。



現状、しずかは、ボランティア精神旺盛なヘルパーさんにお世話になっており、感謝
しているのですが、このままではいけないと思っています。



移動支援のヘルパーさんは、障害のある人の生活を支える貴重な仕事です。

誇りをもって続けられるだけの待遇がなされるべきです。



少なくとも、高齢のヘルパーさんと同じ1,300円〜1,500円の水準で働けるような仕組
みをつくれば、もっと多くの人が移動支援のヘルパーとして働けると思っています。



国のサービス費にプラスして、事業所独自に財源を生み出す仕組みが必要です。

基本時給部分は国からのサービス費で補いつつも、プラス300円〜500円の部分は、独
自に出していくしかありません。



移動支援事業所にカフェを併設して、カフェの収益で、移動支援ヘルパーにプラスア
ルファの時給を出すモデルはつくれないでしょうか。(移動支援ヘルパーが集まる拠
点になるかも!)



移動支援事業所に研修所を併設して、ヘルパー教育を充実するとともに、企業の社員
研修を受け入れてフィーをいただき、支援ヘルパーの時給分に充てることはできない
だろうか。(人材を育てて地域の企業に派遣事業もできるかもしれない!)



国の財源は限られています。

福祉といえども高齢・障害・子育て等々広いので、国が財源を出せる部分は限られて
います。

国としては、誘導していきたい方向に多くの財源を出し、多くの事業者が国が示す方
向に行きます。



でも、地域で本当に必要なサービスがあるならば、地域の事業者の努力で、国の財源
を使いつつも自主的に財源を産み、サービス提供していく形があってもいいと思いま
す。



決して簡単ではないけれど、まずは、そんな事業所づくりのスタートラインに付くの
が今の目標です。



そのためには、今いただいている仕事を一つ一つやりきること。頑張りましょう!





  • Posted by 前田豊(社会保険労務士) at 12:46│Comments(0)
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